無断欠勤 損害賠償 判例

労働者の無断欠勤を理由とした損害賠償請求の可能性及び裁判例

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雇用している労働者が無断欠勤をし、仕事に穴が開いてしまうことがあります。
そのような場合、賃金に関しては当然のことながら「ノーワークノーペイ」の原則から無給にできますが、労働者に対して何かしらの損害賠償を請求することは可能か、という問題が出てきます。
このようなケースは実際にもよくある話で、雇用形態を問わず、無断欠勤や一方的な退職をした労働者に対して内容証明郵便等で損害賠償請求を行う事業主も中にはおられます。
確かに労働者は雇用関係において、使用者の指揮命令に従って労務を提供するという債務をになっており、その債務を無断欠勤という形で一方的に放棄してしまうこと自体、民法415条で定めるところのいわゆる債務不履行に基づく損害賠償請求権は発生するという理屈は立つといえます。
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では、このような場合、この場合で債権者というべき使用者の主張は全て認められるのでしょうか。
まず、使用者側に生じた損害と労働者が無断で欠勤したことに因果関係があるのかどうか、という議論になりますが、裁判においては因果関係について慎重な判断がなされますし、少なくとも過去の裁判例において、本件のような無断欠勤したことを理由とする使用者側からの賠償請求が全面的に認められたケースはありません。
また、損害が発生したについて労使双方に争いがない場合でも、裁判例では労働者側に全額損害賠償を命ずるようなケースはありません。
これは使用者は労働者を使用して利益を得ている以上、損害も応分に負担すべきである、という発想に基づくものです。
会社側は労働者の無断欠勤について、長期間続くなど程度が酷ければ懲戒処分ないしは懲戒解雇(場合によっては普通解雇)をもって対処すべきであり、損害賠償請求は認められないと思っておく方が無難といえます。
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